流れ星スペシャル
「店は毎日、店長を含めて7人位で回してるみたい。オープンからラストまで通しで働く人もいるし、早番とか遅番とか、どういうふうに組み合わせてるのかは知らんねんけど……。
あ、タイムカードとか見てみる?」
「はい、ぜひ」
「じゃあ、書庫から取ってきますね」
わたしが歩き出そうとすると、桂木さんが引き留めた。
「その前に、流れ星の現状がわかる書類があれば見たいんですが」
「ああ、それなら……」
試算表や売上推移。
仕入れや費用の売上対比の円グラフ。
毎月集計した書類をまとめてあるファイルを差し出した。
桂木さんはそれをその場で開いて、熱心に見ている。
「少し赤字なんですね」
「うん。売上が減ってきてます」
「この資料は沢井さんが?」
「ええ、まぁ、担当なので」
「このファイル、しばらく借りてていいですか」
「はい」
「それから沢井さん、あの……ケータイの番号教えてもらえませんか?」
神妙な顔をして、そう聞かれた。