流れ星スペシャル
「タ、タイムカード取ってきますね」
苦しくなって歩き出すと、桂木さんがついて来る。
「あとで自分で片づけておきますから」
と、置いてある場所を確認したいらしい。
そうしてわたしたちはフロア奥の書庫へと移動しながら、少し話をした。
「アルバイトの人やけど、店長と一緒に辞める人がいるかも……」
わたしは、ちょっと気になっていたことを口にした。
富樫店長が会社に不満を持って辞めたのなら、それに同調する人がいるかもしれない。
人員が減って負担が増えるのを嫌がる人もいるかもしれない。
「今はどこも人手不足で、辞めても働くとこなんて、すぐにあるから」
「ですね」
桂木さんもそこは想定済みのようだった。
「あと、辞める人からは制服を返してもらってくださいね。一応そういうルールやし、キレイなものなら洗い替えに使えるから」
「はい」
「サロンとか、結構高いのに回収率悪くて、もったいないんです」
そうボヤいたとき、書庫に着いた。