流れ星スペシャル


バレバレだったんだ、わたしが店に行きたくないなんてことは。


突然の事態に晒された桂木さんに追い打ちをかけるように傷つけたのは、他でもないオフィスの仲間や、このわたし自身だった。


それでも、そんなことも全部受け止め、桂木さんは潔く覚悟を決めている。


もう前を向いて歩いているんだ……。




席に戻り、顔をあげると、デスクに戻った桂木さんが、アルバイトのひとりひとりに電話をかけていた。




「沢井、流されたらアカンよ」


向かいの席から、綾香さんがささやく。


「わかってます」


よくわかっている。


わたしにはそんな覚悟はない。


そんな資格もない。




でもなんだろう、この気持ちは……?


同情や尊敬や恋心だけでは決してない、この気持ちは、何?




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