黒狼と猫の総長様
『……玲彩さん、勿論、俺もですよ』
そう言ってにっこりと笑う壮一に、玲彩が驚く。
『どうかしました?』
『え、いや……壮一も、名前……』
壮一も名前?
……ああ、そうか。
確か、壮一も、玲さんって呼んでたな。
『気分です。
玲彩さん、で良いですか?』
『……う、うん。
どっちかといえば、さん付けも無しが良い……』
そう言って、玲彩は遠慮気味に壮一を見る。
『勿論ですよ。
……玲彩』
『……それがいい』
そう言って満足そうに玲彩が頷く。
……なんか、むかつく。
分からないけど、壮一に笑いかけるこいつも。
未だに抱きついている双子にも、イライラする。
『……玲彩。俺は、元から味方だから』
『知ってる。
ありがとう。琉』
そう言って、琉の頭を撫でる玲彩。
それを見て、俺のイライラも増していく。
……んだよ、コレ。
気持ち悪い。