黒狼と猫の総長様
『どういう事ですか? 玲彩さん』
海斗の言葉に、みんなが私に視線を向ける。
『……兄弟なの。あの2人。
まぁ、壮一は、月夜が死んだと思ってたけどね』
そう言いながら、何を話しているのか笑い合う2人を見つめ、口角を上げる。
『へぇ、偶然があるんだな』
『ああ。世界は狭い』
充さんの言葉に透さんが頷く。
まぁ、確かに。
世界は狭い。
現に、私は、祐希の弟である翔に、翔がたまたま転校してきた事により出会ったんだから。
出会わなかったら、きっと、私は変わらなかったと思う。
それどころか、本当の意味で噂通りの女になっていたかもしれない。
翔て出会った事は、本当に、偶然だ。
でもそれは、世界が狭かったとも言えるのかもしれない。