黒狼と猫の総長様
私の言葉を聞き、その顔に笑みを浮かべる翔。
『……皆、力を貸してくれてありがとう。
明日、加藤を討つ。
決着をつける』
私の言葉に、皆が頷く。
『……夜神時雨【ヤガミシグレ】
明日だけの、名だ』
私の言葉に、それぞれがその名をつぶやく。
夜猫。
咲神。
時雨。
それぞれを、組み合わせた名。
明日、限り。
『……解散‼︎』
そう一声上げ、一足先に幹部室からでる。
目的は、倉庫の目の前にそびえる、桜の木。
気に歩み寄り、よじ登る。
枝に座りながら、空を見上げた。