黒狼と猫の総長様



もう、ほぼ。



満月に近づいている月。


でも、まだ、輝きが足りない。




もっと、煌めいて。

もっと、光り輝く月の下で。





私は、笑える日が来るのだろうか?










時間は、刻一刻と。




いやでも、明日はくる。





誰も、殺させはしない。



死なせは、しない。





満月の前日。




中途半端な満月。



その月を見上げ、1人、誓いを立てる。





1ヶ月前も、同じようにこの月に宣言した。





ただ1つ違うのは、この月は、欠けるのではなく満ちるということ。






私の嫌いな満月を、私は好きになれるのか。






そんなの、明日にならないとわかるはずもない。





『……夜神時雨』






そう呟いた私の髪を、夜風がさらい、靡かせる。






< 153 / 299 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop