黒狼と猫の総長様
満月を見上げ、笑みを浮かべる。
満月を嫌うのも、今日で最後だ。
もう、過去に縛られない。
すべて、断ち切ってやる。
『……覚悟しろよ? 加藤』
自分の足で踏み切った私の覚悟。
それは、満月の下で、硬く、ゆるぎなく。
誓われたもの。
『弱い奴に、興味はない』
殴ることに、躊躇はしない。
さぁ、加藤。
終わらそう。
私は、忌々しい過去を忘れる。
『……邪魔だ!』
切り掛かってくる男や、殴りかかってくる男どもを殴り飛ばし、加藤へと歩みを進める。
……黒羽玲彩。
一世一代の、決戦の時。
ー玲彩サイドendー