黒狼と猫の総長様
ー愛哉サイドー
『愛斗! 上!』
俺の言葉に反応してしゃがんだ愛斗。
その後ろで、上からバットを振り下ろそうとする男を回し蹴りする。
『ありがと、愛哉』
喧嘩の時は、いつもそう。
ボク達は、2人で1つのように戦う。
弱点をお互いで補うように。
『愛斗、ボクはお前を信用してるから』
『何を今更。
僕は、昔から、愛哉を信用してるよ!』
『お前ら、もしかして双猫⁇』
誰かが、そう言った。
その瞬間、周りの男達が一斉に道を開け、サイドにそれる。
『……ボス的なの、来ちゃったよ』
『……だね』
俺たちの目の前まで、歩きながら笑う男。
『俺は岩泉瀬名』
そう言って、目の前の、瀬名と名乗った男。
『……頭、青いよ』
『愛斗、そこに触れない』