黒狼と猫の総長様
『『…やっぱり、レーちゃんは相応しいよ』』
珍しく、伸ばさなかった語句に少し驚くと、真剣な顔でそう言った。
……相応しい?
『……何が』
相応しいのよ。
その言葉は、勢いよく開けられたドアに遮られてしまう。
『お前らが認めたなら、大丈夫だな』
そう言って入ってきたのは、黒髪。
『は!? 俺は、嫌だ』
そう言って反抗する女嫌いを抑えたのは、敬語。
『……また、貴方達ですか。
私に、何の用?』
『『僕らさ、レーちゃんの事、気に入ったの!』』
は?
私を気に入った?
『……そうですか』
だから、なんだって言うんだ。
『……仲間になれ』
『……ん?』
黒髪が、謎めいた言葉を発し、おもわずきき返す。
『もう一度言う。
俺らの、仲間になれ』
……仲間?
私が、この人達と?
『……冗談じゃないわ』
『私、貴方達みたいな人、嫌いなの』