黒狼と猫の総長様
そう言って笑った私に、女嫌いのやつが掴みかかる。
『俺らだってお前みたいな、男遊び激しい奴が一番嫌いなんだよ』
私の胸ぐらを掴みながらそう言った女嫌いに、ふっと笑いかける。
『……ほら』
『あ?』
『何も、知らないくせに。
勝手に噂で決めつけて、見た目で判断する。
そんな貴方達みたいな人種が、嫌いなのよ』
そう言って掴まれていた手を握り、力を加える。
『……っ』
ギリギリと音がなりそうなほど強く握ると、顔を歪めて、女嫌いが手を離した。
『……私に、関わらないで』
私は、自分が思ったよりも冷めた声が出たことに驚きながら、あき教室を後にした。
『……あの女っ、いつか殴ってやる‼︎』
そんな声が聞こえたのは、きっと、気のせいだろう。