黒狼と猫の総長様
『……遠慮なく』
言われた通りのところに座り、お茶を受け取る。
『暇だろ? リビングにいても』
そう言って私の隣に座る翔に、驚愕の視線を向ける。
『……何?』
『な、なんで、隣?』
『別にいいだろ?
……なに? 俺が隣にいたら、緊張する。とか?』
そう言って妖艶な笑みを浮かべる翔を見て、顔に熱が集まるのがわかる。
『……顔、真っ赤』
『うるさっ』
『そういや、聞いてなかったな』
私の言葉を遮るように口を開く翔を見て、眉間に皺を寄せる。
『玲彩の返事』
そう言ってニヤリと笑う翔は、すでに返事を知っているかのように見える。
『やけに、自信満々ね……』