黒狼と猫の総長様
『……この学校だったんだ』
しかも、同じクラス。
『まぁね。変装してた』
そう言って、ボサボサのカツラとメガネを手に持って笑う保。
……こんな奴、いたっけ?
まぁ、元々、クラスメイトの半分以上話した事ないし。
もっと言えば、夜猫の皆以外、知らない。
あ、女の子達は知ってる。
友達宣言されたし、覚えないのは悪いから。
『その顔じゃ、そんな奴いたっけ? ってとこ?』
『……正解』
ニコッと笑ってそう言う保に肯定する。
『黒羽さん。翔、まだ?』
『……もうすぐ来ると思う』
『本当? じゃあ、翔の席で待っとく』
……何故。
そう聞こうとしたのもつかの間。
保はすでに翔の椅子を引いて腰掛ける。
……ああ、言ってなかったけど、翔、私の左隣の席ね。
私の前が壮一、その隣が琉。
壮一と琉の前が愛哉と愛斗。
左側は、窓。
よくある、窓側1番後ろ。