黒狼と猫の総長様
『だから、言ったでしょ。
私は、仲間になんてならない』
そう言って椅子から立ち上がり、教室を出る。
何で、私話や誘うのかわからない。
私の、どこがいいの?
私の噂、知ってるでしょ?
なのに、何で私に関わるのよ。
『……おい‼︎』
後ろからグイッと手を引っ張られて、肩を掴まれる。
振り返えさせられ、肩をつかんだ人物を見て、驚きで目を見開いた。
『……無口、女嫌い⁇』
そこにいたのは、無口で女嫌いのやつ。
『……何だよ、それ。
俺、琉』
私の目を見て自分名前を言う無口女嫌いの奴の言葉を、口にする。
『……琉』
私が名前を読んだ瞬間、琉の顔が、かすかに緩む。
『俺、謝りに来た』
『……何を』
『この前、胸ぐら掴んだこと。
あんな事を、言ったこと。
俺、が、女嫌いになった理由が、噂のお前と同じような奴のせいだったから……っ』
そう言った琉の顔は、ひどく歪んでいた。