黒狼と猫の総長様
『……そう。
私に、どうして欲しいの?』
たとえ、琉の過去が関係あったとしても、私には関係のない事。
『……俺の、過去、聞いてくれないか⁇』
少し俯いてそう言った琉の言葉に、首を傾げる。
『……何で私に』
『俺が、聞いて欲しいんだ』
『……そう。
場所、移動する?』
こくんと頷いた琉の手を引いて、屋上に向かう。
『……どうぞ』
『……何も、言わなくていいから。
聞いて、くれるだけでいい』
そう言った琉に何も言わず、黙って琉の話を聞く体制に入った。