黒狼と猫の総長様
『……城間、お前……』
呆れるような視線を城間に送り、真が俺に視線を移す。
『翔さん、すいません。
こいつら、迷惑かけてますよね』
そう言って頭をさげた真に、頭を上げさせる。
『真、お前が謝る事じゃない。
それに、城間の奴は知らないが、保が迷惑なのは昔からだ』
そう言って笑った俺に、真が目を見開く。
『……て、え? 保? 昔って……』
『真が俺を拾ってくれる前、俺、翔と親友だったんだよ。
まぁ、元に戻ったけどね』
俺の肩を叩きながらそういう保に、真がゲンコツを落とす。
『真、イキナリ殴る事ないだろ……っ』
頭を抱えて抗議する保を無視して、真に向かって笑みを浮かべる。
『……ここは学校だからな。
普通にしてくれ、こいつらみたいに』
保と城間を指して、真に向けていた笑みを、ニヤリと不敵な笑みに変える。