黒狼と猫の総長様
『真はいい。
お前は少しくらい俺に敬意を表せ保』
イキナリ殴った俺を頭を抱えながら保が睨みつける。
『……翔。玲彩、どこ?』
琉が周りをキョロキョロと見渡しながら、そう言う。
玲彩?
……どこか行くって言ってたな。
『……ルキさんのところに行くって言ってたけど』
俺の言葉に目を光らせた琉が、音を立てて椅子から立ち上がる。
『『どうかしたの? 琉ー』』
『……玲彩のとこ、行く』
『『僕らもいくーっ‼︎‼︎』』
『……俺もついていきますよ』
ルンルンで琉にのる愛哉と愛斗に、壮一がため息をつきながら言う。
『『翔君も行くよねーっ⁇』』
『……ああ』
そろそろ自習も終わる頃だし、丁度良い。
『『じゃー、行こうー‼︎』』
相変わらず揃った声を上げて、勢いよく教室から出て行く愛哉と愛斗の後についていく。