黒狼と猫の総長様
『……なんで居るの』
琉が俺の隣を歩きながら、少し後ろについてくる保達を見て言う。
『俺は姫さん連れて行ったので、責任というか、何というか……』
モゴモゴと言葉を探す真を、保が隣からツツく。
『そう言って、黒羽さんに会いたいだけとか?』
そう言ってニヤつく保に、真が蹴りを脇腹に入れる。
『……ストーカーさんは?』
城間の方をチラリと見ながら、琉が目を細める。
……城間のこと、玲彩がストーカーなんて言ったから、琉が物凄く警戒してる。
『僕はもちろんマイハニーを迎えに行くのさ!』
……白狐には、まともな奴がいないのか?
さっき喧嘩していた真と保を止めた城間がコレだしな。
『『啓君って、変人だよねー』』
何の悪切れもなく愛哉と愛斗が声を揃えてそう言う。
……まぁ、確かに変人。
だが、それは本人に直接言うことじゃないだろ。