黒狼と猫の総長様
『てめぇ、誰が育ててやってると思ってんだ⁇
自分の体で、金ぐらい稼いでみろ』
そう言って笑った男は、俺と女を同じ部屋に閉じ込めた。
『て、事だからさ?
琉君。
私の相手、してね』
そう言って寄ってくる女に必死に抵抗するも、中学生の俺が、抵抗なんてできるはずもなく。
そのまま俺は犯された。
その日から、男はどんどん家に女をあげ、俺を売った。
自暴自棄になって、繁華街に逃げ出した俺は、やみくもに剣をふっかけてくるやつを殴り倒していった。
俺が男を殴っているとき、誰かが、俺の手首を掴んで止めた。
つかまれた手の先を見ると、綺麗な顔をした男がニヤリと笑いながら俺を見下ろしていた。
『……名前は?』
『琉』
『琉、か。良い名前だな。
俺は翔。
お前、俺と一緒に来ないか?』
翔はそう言って俺に笑いかけた。
『……何で?』
『お前ら目が死んでる。
俺のいるチームに来いよ。
総長には、話つけとくから。
楽しいぜ?
みんな、良いやつだ』