黒狼と猫の総長様
『『ちょ、壮君、どういうこと!?』』
『どうもこうもありませんよ。
家、継がないといけなくて。
高校も中退しろと言われたんです』
……壮一が、夜猫をやめる?
高校を中退??
なんで、そんな事に。
『壮一、後、1年なのに……?』
琉の言葉に、壮一が頷く。
そうだ。
今は、2年。
夜猫を引退するのも、高校を中退するのも、後一年なのに。
なんで今なのよ。
『……俺が、納得すると思うか。壮一』
翔の言葉に、壮一が唇を噛む。
『俺だって、やめたくありませんよ。
だけど、父上には逆らえないんです』
逆らえないから。
だから、辞めろと言われて、大切なものをあっさりと辞めるの?
それは、違う。
『……壮一』
『玲、彩さん?』
私は、壮一に向けて、笑みを浮かべる。
大丈夫。
壮一が嫌なら、そう、伝えればいい。
『……大丈夫。
話を、付けに行こう。
皆で』
私なら言葉に、みんなが頷く。
『『レーちゃんナイスアイティア!』』
『……そうだね。流石玲彩』
『それしかないな』
お互いの顔を見合わせて笑う私達を、壮一が目を見開きながら見る。