黒狼と猫の総長様
『……なんで』
『俺のためにそんな事をするのって、事?』
壮一の表情から言葉を読み取り、後に続ける。
なんで、と言われても。
1つしか、ないじゃない。
『『『『『仲間だから』』』』』
5人の言葉がかぶり、互いに笑う。
『……でも』
『壮一』
何かを付け加えようとする壮一を、翔が遮る。
『副総長は、お前にしか務まらないんだ。
今更、抜けさせるわけないだろ』
そう言って、翔が笑う。
まるで、信じろとでも言うよに。
『……俺は、どうすれば?』
『『壮君。
壮君はねー、いつも通りでいいの!』』
『……壮一じゃないと、俺、起きれない』
愛哉と愛斗、琉の言葉に、壮一が笑う。
『……壮一がいなきゃ、丸く治らないの』
消えるほど小さな声で、そう呟く。