黒狼と猫の総長様
『『それ言ったら、僕達も!』』
『あ?』
琉に便乗してそう言った愛哉と愛斗を、琉もろ共睨みつける翔。
『若、着きましたよ』
しばらくの間、そのまま冷戦状態だった翔達を止めた月夜の声に、みんな背筋が伸びる。
……緊張する。
今でも、嫌で嫌で手が震えるのを感じるけど。
壮一と、月夜の為。
2人のためなら、いけると思う。
『……若……いえ、玲彩様は先に会場の中へお入りください』
バックのドアを開けながら私に手を伸ばす月夜の言葉に、バレないように唾を飲み込む。
そうか、私は、若じゃないから。
若とは呼ばれない。
ここでは、黒羽玲彩 様 何だよね。