黒狼と猫の総長様
負けました
ー玲彩サイドー
『……玲』
『……何』
『仲間に『……ならないから』』
黒髪の言葉に被せて返事すると、舌打ちをして明らかに不機嫌になる黒髪。
……てゆーか、玲って何。
私、玲彩何だけどね。
双子は双子でレーちゃんって呼んでくるし。
『……で、敬語君』
『俺ですか?』
自分を指し首をかしげる敬語君に頷く。
『私の秘密、分かったの?』
私の隠してる事でバレる可能性があるのは黒狼。
まぁ、ハッキングはルキに固くロックして貰ってるから、大丈夫だと思うけど。
私が暴れてるのは、彼ら夜猫の縄張りだし。
『まだ、わからないんですよ。
教えてくれませんか?』
ニコッと笑ってそういう敬語君に、眉を寄せる。
嘘だ。
絶対、何か掴んでる。
『……敬語君。
嘘は泥棒の始まり、よ』
そう言って笑い返す。