黒狼と猫の総長様
私の言葉に一瞬驚いた敬語君は、声を上げて笑い始める。
『……何』
何で笑ってるのか、わからない。
『そんな事、初めて言われましたよ。
嘘は泥棒の始まりですか。
なら、貴方も、泥棒ですか?』
そう言って笑う敬語君に、ポーカーフェイスを保つ。
『……何の事』
『『れ、レーちゃん!
レーちゃん』』
私と敬語君の間に、ただならぬ空気が漂っている事に気づいたのか。
双子が、場に合わない明るい声を上げる。
『……何』
『『えっ、とー…』』
……何も考えてなかったのね。
今日で、賭けた日から12日。
一応何か掴んでるらしいけど、あと2日で分かるのかどうか、ね?
そう思いながら、窓の外に視線を移す。
外を見ながら、ため息をついた時だった。
校門から、大量のバイクが入って来る。