黒狼と猫の総長様
倉庫に行きます
『『レーちゃん!』』
『……何?』
あの日から早くも1週間。
あれから私は毎日教室にいる。
そんな私を見て、初めはクラスメイトがなぜか泣いた。
感激だとか何とか言って。
……意味がわからなかったけど。
そんな私は、いつも通り翔達と授業中にも関わらず話ふける。
『『倉庫きてよー!』』
相変わらずシンクロしている愛哉と愛斗が、同じように私に抱きついて目線を上げる。
……この上目遣いは、狙ってるの?
最近、この2人のあざとさに気づいてきたかもしれない。
『……倉庫?』
それよりも、だ。
倉庫って、何。
何?
バイクとか、収納してあるの?
そんなところ、言っても意味ある?
『『溜まり場のことだよ!』』
『……ふーん』
溜まり場ってことは、私が潰しに出向いてた家みたいなところが、倉庫?
倉庫って風な外見じゃなかったけどな……。
今まで黒狼として潰してきた族の溜まり場を思い出す。
……思い返しても、海のそばに立っているような倉庫なんて思い浮かばない。