黒狼と猫の総長様
家族。
あの人の親
コンビニから歩いて数分……。
曲がり角を曲がると、そこは都会と切り離された静かな住宅街。
その1番奥に陣取る、私の家。
厳密には、私の、お爺ちゃんの家。
大きすぎる家の前に立ち、家の中を覗く。
襖から漏れる光と音が、今日の騒がしさを物語っていた。
『……大勢ね』
家の前に止まっているバイクの群を見て、自然とため息が漏れた。
今日は、疲れてるのに。
また、夜中まで寝かせてもらえないであろうこれからを考え、気が重くなる。
『……若⁇』
聞き慣れた声に振り返ると、案の定、タバコを片手に私を見る月夜が居た。
『今帰りですか』
タバコの火を揉み消しながら、私に近づく。
『……そう。
私、疲れてるんだけど……』
そこまで言いかけて、光の漏れている、気の重くなる原因を見る。
そんな私の心情を察したのか、苦笑いを漏らしながら、月夜が私の鞄を持つ。