黒狼と猫の総長様
『そーいや、お前、夜猫の姫になったんだな!』
そのセリフに、大広間であるこの部屋が静まり返る。
さっきまでの騒がしさが、嘘のように。
『嘘だろ!?!?
あいつら、玲彩を姫に!?!?』
最初に声をあげたのは、夜猫初代副総長の充。
『そりゃーもう、悟さん、悲しむなー』
そう言って酒をぐびっと飲み干したのは、二代目幹部の霧盛愛騎。
わざわざ苗字まで教えたのには、理由がある。
『わが息子ながら、良くやったなー!!』
そう言いながら私に抱きついてくる愛騎。
『……やっぱり、愛騎の息子だったのね』
『愛哉と愛斗か?』
『……そう』
『あいつら、毎日お前の話ばっかでよー!
そんなの、俺の方が知ってるぜ! って、言いたくなるんだよなー』
『……絶対ダメよ』
私が知り合いだなんて知ったら、きっと混乱して周りを巻き込んで。
迷惑になる。