黒狼と猫の総長様
過去。
壮一の過去 あいつとの再会
『『レーちゃーん!』』
『……ん?』
『『レーちゃーん寝てたでしょー!
ちゃんと聞いてよね!!』』
頬を膨らましながら私に文句を言う愛哉と愛斗。
……昨日、愛騎にあったせいなのか、変な感じがする。
『……何?』
『『今日ね、全部自習なんだって!!』』
笑顔でそう言いながら、嬉しそうに揺れる2人。
『……今日⁇』
『『うん!』』
そんな2人を見て、考えてみる。
……いつもは、どう過ごしたっけ……?
サボってる、はず。
いつも通り、空き教室で。
……今日もサボろう。
そう決めた時だった。
不意にグイッと袖を引っ張られ、顔を向けると、琉がこっちを見ていた。
『……琉?』
『玲彩、参加してよ』
その言葉に、固まる。
サボろうとしてたの、ばれてたのね。
溜息をついて、シブシブ頷く。
私は、琉のお願いを断れない性格らしい。
……そう言えば、この前、愛哉に、琉にだけ甘いって拗ねられたような……。