隠れ家
起きた時には、もう外はすっかり暗くなっていた。

腕時計は7時を指す。

暗いから、夜の7時。

目の前の金魚鉢を見ると、ぷかぷかと金魚が浮いていた。


ああ、これが今の僕か。


怯えなくなったのではない、僕はもう死んだのだ。

死んだも同然なのだ。

きっとこのまま帰らなくともだれも心配しやしない。

いっそ本当に死んでしまっても、誰が気づくのだろう。

別にそれでいいけれど。

生きる意味もない。

でも、死ぬ意味もない。

だから、とりあえず生きている。
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