僕等はまだ恋を知らない
私も最初は軽いし全然余裕じゃん!って思っていた。
しかし一歩、一歩、歩数を重ねるごとに全身が重い。
5キロ近いマラソンを走っている途中。
体は無意識に疲れてるみたい。
いくら沙耶が軽くても私の体力がなくちゃ意味ないじゃん!
「はぁ……はぁ……」と今にも倒れてしまうんじゃないかと思うくらいの酷い呼吸。
沙耶が心配そうに「大丈夫?」と聞いてくるが「全然平気」と返すばかり。
回りに誰もいないし、沙耶を連れて行けるの私しかいないもん。