僕等はまだ恋を知らない



どのくらい、進んだかな。



誰の姿も見えないや。




速度は落ちてるし、足が少し震えてる。


こんなガクガクした体じゃ沙耶に負担をかけちゃう。





「澪、もう降ろしていいよ……?自分でちゃんと歩くから」



「怪我人なんだから静かに」



「でも………」



こんな強がり、沙耶にバレバレなのはわかってる。


それでもこの手を離すわけにはいかない。


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