僕等はまだ恋を知らない
朝はこうして、毎日3人で学校まで登校するのが当たり前になっている。
「ん〜、今日のお弁当の中身は何かなぁ」
「早っ!もう昼のこと考えてるのか!?」
「ふふっ、澪らしい」
こんなたわいない話をするのもいつもの日常。
家族同然の大翔と、親友の沙耶。
2人と居る時間は落ち着くし、何より楽しい。
ずっと、ずっと、この関係は変わらないんだって思ってた。
当たり前のように2人が私の隣で笑っていてくれる。
私たちはずっと一緒だって。
信じて疑わなかったのに…………。
そんな当たり前の日常が当たり前じゃなくなるのは、本当に突然だった。
気づかないうちに少しずつズレる歯車にどうして気付かなかったんだろう。
「わっ、風強い…………」
運命が変わる風が吹く。