僕等はまだ恋を知らない
ベッドの上で缶ジュースを飲む私と九条くんに、ソファーで沙耶の手当てをする大翔。
本来なら女の私が沙耶の手当てをするのが普通の流れだけど、私はかなりの不器用さで知られている。
その点、大翔は器用で何でもできる。
だから今回は大翔の役目。
「ったく……澪はさっきまであんなに疲れてたのに今は元気だな」
沙耶の手当てがひと段落した大翔は、ベッドの上でジュースを飲む私を見てため息をこぼした。
「私は怪我したわけでもないからね」
沙耶を背負って歩いていただけ。
体力が回復すれば全然どうってことない。