僕等はまだ恋を知らない
「香月が構ってくれなくなったから、寂しいのかー?」
「そんなんじゃありません!」
ぷいっと横を向いて頬を膨らませた。
あっ、こんなことしてると子どもっぽいとか思われるかな?
ハッとしてすぐに頬を戻す。
たしかに直にベッタリしすぎて、最近は大翔からなんのお怒りも飛んでこない。
嬉しいようで、寂しいようなそんな気持ち……………。
って、寂しいわけないじゃん!
「私には沙耶が居るからいいんですぅー」
「わっ、澪!?」
隣に居た沙耶をぎゅっと抱き寄せた。