僕等はまだ恋を知らない



「大翔くん、用事ってなんだろうね」


廊下を歩きながら沙耶がポツリと呟いた。



「うーん……テストで悪い点でも取ったとか?」



「あはは、大翔くんはいつも学年トップの成績じゃない」



「あはは、たしかにそうだね」


私の適当な答えに沙耶は笑ってみせた。


大翔は運動も勉強も完璧で非の打ち所がない。


それでいて性格も良いんだから、ある意味ムカつく。


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