僕等はまだ恋を知らない


「澪らしい理由だな」


「わっ!」


軽く笑いながら、セットしたばかりの私の髪の毛をわしゃわしゃとかき混ぜた。



「せっかくセットしてきたのに意味ないじゃん!!」



「人様の告白覗いたお返しだよ、バーカ」



「べーっ」と舌を出して笑う大翔の姿はなんだか小さい子どもみたい。


その姿に思わず吹き出してしまった。



「もー!朝から笑わせないでよー」



大翔の変わらない笑顔を見ていたら、悩みなんて吹っ飛んでしまった。


たとえ大翔に好きな人がいても、きっと私たちの関係は変わらない。



ずっと仲の良い幼なじみでいられるってわかるよ。


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