僕等はまだ恋を知らない
「聞いてよ沙耶っ!昨日の告白のことなんだけどさ」
「うん、どうしたの?」
「好きな人がいるって言うはただの口実で、私みたいなうるさいのがいたら彼女もできないって言うんだよ!?酷くない!?」
さっきの出来事をそのまま叫ぶように伝えた。
一瞬びっくりした顔をしてから、急に下を向く沙耶。
何を言おうか悩んでるみたい。
口を何度か開けては、そのまま「ふぅ…」と息を吐くだけ。
「さ、沙耶……?」
恐る恐る顔を覗き込んで見ると、ちょうど顔を上げた。