僕等はまだ恋を知らない
上手く説明はできないけど、このまま止めなかったらきっと………。
よくないことが起こっていた気がした。
私たちの“幼なじみ”という大切な関係が壊れる予感がしたの。
「………………ったく、俺が2人を引っ張った方が速いだろ?」
「大翔!?」
まさかの対場が逆転。
ニッと歯を輝かせて、私の腕をグイッと引っ張った。
引っ張っていたはずの手が、今じゃ引っ張られている。
一瞬にして陸上部の力を見せつけられた。
「澪も大翔くんも速いよ〜!」
「頑張って!沙耶!」
「手ぇ離すなよ?」