僕等はまだ恋を知らない


「なんだよ人の顔ジロジロ見て」


「………なんでもないよ」



九条くんの声を聞くだけで、心拍数が上がるのがわかる。


こんなにドキドキしてたら、すぐに気づかれそう。



ねぇ、九条くん。


気持ちを隠す代わりに、1つだけ許して欲しいことがあるの。


九条くんの1番近くに居るのは私でもいいかな?


大翔よりも、沙耶よりも、ファンの女の子たちよりも。


誰よりも近くで九条くんを見ていたい。


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