僕等はまだ恋を知らない
「顔怖ぇぞ、倉橋先輩」
大翔の隣から変な声が飛んできた。
この声の持ち主は当然……………。
「九条くんまで酷いよ」
ニヤニヤと楽しそうに笑う九条くんだ。
この笑顔はちょっと………いや、かなりムカつく。
「はい、沙耶にはクリームパン」
「ありがとー。購買混んでた?」
「まぁ、いつも通りって感じかな」
今日のお昼ご飯担当は大翔と九条くん。
ちゃんと私と沙耶の希望したものを買って来てくれたのは嬉しいし、ありがたい。
でも………。
「倉橋先輩〜、おにぎり食いながらこっち睨むなよ」
「うるさい!」
このわざとらしい顔と言葉はありがたくないっ!!