僕等はまだ恋を知らない
ドスッと音が響きそうなくらいの勢いで、沙耶の腕をつかんでいた男に1発蹴りをぶち込んだ。
走った勢いで蹴ったせいか、かなり力が入ってたみたい。
蹴ったあとすぐに男の体は地面へとめり込む。
「今度沙耶に近づいたら………許さないから」
目にグッと力を入れて、思いっきり沙耶に迫っていた男どもを睨みつける。
「ひっ………!」
ビクッと同時に肩を震わせて、私から視線を逸らすと。
「「す、すみませんでしたぁあああ!!」」
倒れた男の制服をつかみ、叫びながら走り去って行った。