僕等はまだ恋を知らない
このまま教室に居てもしょうがないし、帰ろう………。
人気の少ない廊下を歩くと、自分の足音がかなり耳につく。
ペッタン、パッタンと気の抜けた音。
そういえば九条くんの足音はコツコツとリズムがよかったっけ。
同じ靴を履いてるのにこの違い。
九条くんは足音までもがかっこいいのかもしれない。
「って………何考えてるんだろ」
1人で居ても、誰と居ても、頭の中は九条くんでいっぱい
何気ない一言に左右されちゃうくらい九条くん脳なのだ。