僕等はまだ恋を知らない
もっと近くで……………。
引き寄せられるように、勝手に右手が彼の顔に伸びていく。
「なっ…………」
避ける暇もなく、私の右手はペタリと彼の頬まで到達することができた。
私の肌と比べるとかなり白い。
もしかして、ハーフなんだろうか。
目や髪が特徴的なだけで、顔はとくに外国人っぽいわけではない。
普通に日本人に見える。
「か、勝手に触るんじゃねぇよ変態!!」
手を振り払われた瞬間、ようやく我に返った。