僕等はまだ恋を知らない
「………私…」
くっついていた体をグッと押して、か細い息を吐くように呟いた。
今、顔を上げたらまた泣いちゃいそう。
「大翔のことは好きだけど………幼なじみとしか思えないの」
一緒に居た時間は同じはずなのに、気持ちはこうもすれ違うものなのだろうか。
これ以上何か言ったら、大翔は側に居てくれなくなっちゃう?
恋人にはなれないくせに、側にいて欲しいなんてずるいかな。
「九条くんに恋しちゃったから」