僕等はまだ恋を知らない
ふわりと大翔の指が私の目に触れた。
結局泣いたら意味がない。
大翔のこと、困らせたいわけじゃないのに。
「俺は澪を守るナイトにでもなれれば十分だからさ」
「………………もう、バカ……」
なにがナイトだよ。
私と同じような事、考えないで………。
九条くんに出会ったばかりの頃の話。
私を助けてくれた九条くんが、お姫様を助ける騎士に見えた。
大翔は私と一緒で案外バカみたい。
さすが、幼なじみってとこかな。