僕等はまだ恋を知らない
澪と一緒に大翔くんの告白現場を目撃した次の日だ。
『好きな子がいる』と断ったのに、澪に本当のことを言ってなかった。
大翔くんの気持ちに気づかずのんきに接っしている姿は、なんだか私をあざ笑っているように見えて。
想いが届かない私を見下してるんじゃないかという、最悪な気持ちが強まっていった。
嫉妬や劣等感で溢れたら、もう止まらない。
『そうやってずっと……誤魔化し続けるの?』
大翔くんが澪に気持ちを伝えてほしいわけじゃない。
澪が大翔くんの想いに気づいてほしいわけじゃない。
全部、違うのに………。