僕等はまだ恋を知らない


「はいっ、どーぞ」


「ありがと」



タオルで額を拭くその手で、澪を抱きしめた。



私には一生つかむことのできない、その手で。

感じることができない、その温もりで





「大翔ー!次、タイム測るぞ」





「りょーかい」




「………頑張ってね」


「おう!」



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