僕等はまだ恋を知らない





「さっすが沙耶!澪なら絶対傘とか持ち歩かないよなー」


「たまたま持ってただけだよ」



やっぱり部活が終わる頃にはポツポツと雨が降ってきていて、小さな折り畳み傘にくっつきながら歩く私たち。


傘の下にいると、なんだか2人きりになった気分。



たしかに周りに人はいないし、2人きりという言葉に間違いはないかもしれないけど。




こうして大好きな大翔くんと肩を並べて歩いているのに、なんだか嬉しくない。


こんな気持ち初めてだよ。


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