僕等はまだ恋を知らない


真っ白になった頭はもうどうやったって戻らない。


さっきよりも強い力で、グイッと大翔くんのネクタイを引っ張った。




「っ………!」




少し冷たくて、感じたことのない不思議な感触。



動かない大翔くんに無理矢理唇を押し当てた。



大好きな人とのキス。


まるで夢を見ているよう。



夢なら、覚めないで。


無理矢理にでもなんでもいい。



終わってしまう恋だから、許して欲しかったの。


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