僕等はまだ恋を知らない
「なんでもするから………澪みたいになるから……….私を選んでよ……」
澪になりたい。
明るくて、行動力があって、誰からも愛される人に。
そうすれば、大翔くんは私を好きになってくれるの?
「………………ごめん」
激しく降る雨の音があるのに、大翔くんの声しか聞こえない。
答えなんて聞かなくてもわかってたのに。
苦しくなる準備だってできていたはずなのに。
届かないとはっきりわかった瞬間、予想を超える激しい痛みが襲ってきた。